第63回気象予報士試験 専門知識 問13
- 人参 走る
- 7月16日
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下の表は、ある地域における30⽇間の、翌⽇の雷の有無に関する予報と、それに対応する実況の分割表である。この表に基づく予報精度の評価について述べた次の⽂章の空欄(a)〜(c)に⼊る語句または数値の組み合わせとして最も適切なものを、下記の①⑤の中から1つ選べ。ただし、適中率、空振り率は全予報数に対する割合とする。
雷の有無に関する予報の適中率をこの分割表に基づいて評価すると、その値は ( a )である。⼀⽅、この分割表に基づく雷ありの予報を ( b ) で評価すると、その値は0.25である。 予報精度の評価には、対象とする現象の特性に適合した指標を使うことが重要であり、雷のような ( c ) 現象の評価⽅法には 適中率よりも ( b ) が適している。

解答:⑤
難易度:★★☆☆☆
的中率とは…
〇と予想した時に〇、×と予想したときに×が出る確率。素直に「全体から当たった確率」を考えればよいです。
今回は全体が 2+2+4+22=30 で、
雷あり予想で雷ありだったのが2、
雷なし予想で雷なし予想だったのが22です。
つまり、30回予想して当たったのが24回なので、(a)は 24/30で 0.80となります。
空振り率とは…
野球では、空振りは「バットを振ったけど当たらなかったとき」ですよね。
空振り率というのは「降水ありだ!」「雷ありだ!」など「現象が発生すると予測(バットを振る)」したときに、
結局その「現象が発生しなかった(空振り)」時の割合です。
今回、予報で「雷あり」と予測したのは2+4=6回で、
結局のところ「雷なし」だったのが4回です。
つまり、4/6=0.6666… が空振り率となります。
バイアススコアとは…
わざわざカタカナにするので分かりにくいですが、バイアススコアとは見逃し率のことです。
野球では、バッターがバットを振らなかったけどストライクになったときのことですね。
予報でバットを振らなかった回数(雷なし)は2+22=24回です。
それにもかかわらず雷が発生してしまったのは2回ですね。
よって、2/24=0.08333… がバイアススコアとなります。
スレットスコアとは…
冬の太平洋側って晴ればっかりじゃないですか。テキトーに晴れと言っていれば的中率は勝手に上がります。
それずるいやん?ということで、稀な現象に限りますが、
「現象が発生しないと予報」したときに「現象が発生しなかった」場合を抜きにしたときの的中率となります。
上記の場合(22回)を除いた回数は、2+2+4=8回となります。
このうち、的中しているのは「予報あり」かつ「実況あり」の2回です。
よって、2/8=0.25 がスレットスコアとなります。
よって(b)の答えは「スレットスコア」です。
(c)については上で述べたように、スレットスコアは稀な現象に対して効果を発揮するので、「発生頻度が低い」が答えとなります。
よって解答は⑤です。









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