第63回気象予報士試験 専門知識 問11
- 人参 走る
- 6月7日
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ダウンバーストの⼀般的な特徴などについて述べた次の⽂(a)〜(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。
(a) ダウンバーストとは、積乱雲から⽣じる強い下降気流が地表に達し、突⾵となって⽔平に吹き出し周囲に広がる現象である。ダウンバーストによる被害地域は円形あるいは楕円形など⾯的に広がる特徴がある。
(b) ダウンバーストに伴う地表⾯付近での突⾵の吹き出しの⽔平⽅向の広がりは、⼀般に数⼗mから数百m 程度である。
(c) 積乱雲の雲底の下の⼤気が乾燥しているほど、降⽔粒⼦が蒸発しやすいため、ダウンバーストは発⽣しにくい。
(d) 気象庁では、ダウンバーストによる突⾵の強さ(⾵速)の評定に、⻯巻の強さの評定に⽤いている⽇本版改良藤⽥スケール(JEFスケール)を⽤いている。
(a) ダウンバーストとは、積乱雲から⽣じる強い下降気流が地表に達し、突⾵となって⽔平に吹き出し周囲に広がる現象である。ダウンバーストによる被害地域は円形あるいは楕円形など⾯的に広がる特徴がある。
解答:正
難易度:★☆☆☆☆
問題文の通りです。

『積乱雲から吹き降ろす下降気流が地表に衝突して水平に吹き出す激しい空気の流れです。吹き出しの広がりは数百メートルから十キロメートル程度で、被害地域は円形あるいは楕円形など面的に広がる特徴があります。』(気象庁HP)
上から流体を叩きつけると円形に破片が広がるのはなんとなく想像つきますね。
(b) ダウンバーストに伴う地表⾯付近での突⾵の吹き出しの⽔平⽅向の広がりは、⼀般に数⼗mから数百m 程度である。
解答:誤
難易度:★☆☆☆☆
そんなので済めば苦労しません。
『積乱雲から吹き降ろす下降気流が地表に衝突して水平に吹き出す激しい空気の流れです。吹き出しの広がりは数百メートルから十キロメートル程度で、被害地域は円形あるいは楕円形など面的に広がる特徴があります。』(気象庁HP)
そもそも積乱雲のスケールが数キロ以上あるので、そこから叩きつけられた空気の広がりも数百メートルでは済みません。
(c) 積乱雲の雲底の下の⼤気が乾燥しているほど、降⽔粒⼦が蒸発しやすいため、ダウンバーストは発⽣しにくい。
解答:誤
難易度:★★☆☆☆
「積乱雲の雲底の下の⼤気が乾燥しているほど、降⽔粒⼦が蒸発しやすいため」の部分は正しいです。
雨の粒は地上まで届くやつと届かないやつがいます。届かないやつというのは途中で蒸発しているものです。
空気が乾燥しているほど蒸発は発生しやすいのは容易に想像がつくかと思います。
ダウンバーストは、
『積乱雲から吹き降ろす下降気流が地表に衝突して水平に吹き出す激しい空気の流れです。』
とありましたが、これは
「強い雨によって周りの空気も一緒に引きずりおろす」ことによって始まります。
下層で乾燥しているとき、降水粒子が蒸発すると
潜熱を吸収して気温を低下させます
冷たい空気は重たいため、もとも下降流をさらに強めることとなり、ダウンバーストに拍車をかけることになります。
(d) 気象庁では、ダウンバーストによる突⾵の強さ(⾵速)の評定に、⻯巻の強さの評定に⽤いている⽇本版改良藤⽥スケール(JEFスケール)を⽤いている。
解答:正
難易度:★★☆☆☆
知ってるか知らないか問題すぎて難易度は1ではなく2にしました。
問題文の通りです。
突風の強さ(風速)の評定には、被害の状況から風速を評定できる「藤田スケール」というのが世界的に利用されていますが、米国で作られたために、日本ではいい感じに対応しません。
そこで、日本版に改良したのが「日本版改良藤田スケール」となります。平成28年4月から利用されています。
ということで正誤誤正の③が正解です。









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