第63回気象予報士試験 専門知識 問7
- 人参 走る
- 5月24日
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更新日:5月31日
気象庁が発表している解析積雪深・降雪短時間予報について述べた次の⽂(a)〜(d)の下線部の正誤について、下記の①〜⑤の中から正しいものを1つ選べ。
(a) 解析積雪深は、解析⾬量や数値予報モデルの気温や⽇射量などを積雪変質モデル(約1km格⼦)に与えて積雪の深さを推定し、その値をアメダスの積雪深計の観測値により補正した上で、約5km四⽅の平均的な値として作成されている。
(b) 解析積雪深は、雪が⾵に流され移動する効果を考慮していないため、⾵が強い場合は解析の精度が低下する可能性がある。
(c) 降雪短時間予報における1時間降雪量は、降⽔短時間予報の予測値などを⼊⼒値とし積雪変質モデルを⽤いて得られた積雪の深さの1時間毎の増加量を表しており、減少が予測される場合は0となる。
(d) 降雪短時間予報は、主に地上気温・湿度により⾬雪の判別を⾏っているため、数値予報モデルで地上よりも少し⾼い百mから1000m程度の⾼度に、地上より暖かい空気が予想されている場合は、予測の精度が低下する可能性がある。
(a) 解析積雪深は、解析⾬量や数値予報モデルの気温や⽇射量などを積雪変質モデル(約1km格⼦)に与えて積雪の深さを推定し、その値をアメダスの積雪深計の観測値により補正した上で、約5km四⽅の平均的な値として作成されている。
解答:正
難易度:★☆☆☆☆
問題文の通りです。
『解析積雪深は、解析雨量や局地数値予報モデル(LFM)などの降水量、気温、日射量などを積雪変質モデルに与えて積雪の深さを計算した後、アメダスの積雪計の観測値で補正することにより作成されます。積雪変質モデルでは、新たに積もる雪の量、とける雪の量、時間の経過により積雪が沈み込む深さ等を計算することで積雪の深さを求めます。』

(気象庁HP)
図を見ればなんとなく分かりますが、5km格子でデータが入っています。
(b) 解析積雪深は、雪が⾵に流され移動する効果を考慮していないため、⾵が強い場合は解析の精度が低下する可能性がある。
解答:正
難易度:★☆☆☆☆

(気象庁HP)
風が強いときには解析・予報の精度が低下すると書かれていますね。
例えば、北海道沿岸部で猛吹雪の時は、雪はかなり降っているのに、風で飛ばされて全然積もりません。
雪の降らない地域の人間には想像が難しいやつです。
(c) 降雪短時間予報における1時間降雪量は、降⽔短時間予報の予測値などを⼊⼒値とし積雪変質モデルを⽤いて得られた積雪の深さの1時間毎の増加量を表しており、減少が予測される場合は0となる。
解答:正
難易度:★★☆☆☆
問題文の通り。レシピは以下(解析積雪深・解析降雪量及び降雪短時間予報について)
①積雪の初期状態に解析積雪深(第 3.1.1 項④の 積雪層修正後の積雪変質モデル出力値)を用 い,降水短時間予報の降水量予測値,LFM の 気温や日射量などの予測値を積雪変質モデル に入力する(積雪変質モデルの詳細は第 2 章 を参照).なお,降雪時の降水短時間予報の降 水量予測値には,後述するバイアスがあるこ とから,補正を行った上で上限値を設けて積 雪変質モデルへの入力値とする(詳細は第 4.1.3 項を参照).
② 積雪変質モデルで新しく降り積もる雪の量 (以後,新雪の深さ)を算出し,その値を統計 的に補正する(詳細は第 4.1.2 項を参照).そ の後,積雪変質モデルで積雪層内部の物理量 の時間変化を計算し,1 時間後の積雪の深さを 求める.
③ ②の結果を積雪の初期状態として,さらに 1 時間先の積雪の深さを求める.これを 6 時間 先まで 1 時間ずつ繰り返す.
④ 1 km 格子を 5 km 格子に平均化する.5 km 平 均化した積雪の深さを 1 時間ごとに差分をと り,1 時間降雪量とする.減少が予測される場 合は 0 とする.

(d) 降雪短時間予報は、主に地上気温・湿度により⾬雪の判別を⾏っているため、数値予報モデルで地上よりも少し⾼い百mから1000m程度の⾼度に、地上より暖かい空気が予想されている場合は、予測の精度が低下する可能性がある。
解答:正
難易度:★★☆☆☆
さっきも出てきましたが、こちらです。

ということですべて正しい⑤となります。







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