第63回気象予報士試験 専門知識 問5
- 人参 走る
- 5月24日
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更新日:5月31日
気象庁の数値予報において初期値を作成する客観解析における観測データの取扱いに ついて述べた次の⽂(a)〜(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中 から1つ選べ。
(a) 観測データの品質を⼀定期間モニタリングした結果、品質が低いと判断された観測地点のデータは、数値予報システムの客観解析には使⽤されない。
(b) 気温や⾵などの観測データは、第⼀推定値と⽐較され、その差が定められた基準を超える場合は客観解析には利⽤されない。
(c) ラジオゾンデによる⾼層気象観測は⼤気を直接観測しており精度が⾼いため、品質管理を⾏った上で、観測値そのものを観測地点の直近の格⼦点の解析値としている。
数値予報における品質管理の問題です。
(a) 観測データの品質を⼀定期間モニタリングした結果、品質が低いと判断された観測地点のデータは、数値予報システムの客観解析には使⽤されない。
解答:正
難易度:★☆☆☆☆
数値予報が観測データからスタートするのは言うまでもありませんが、その観測データが間違っていては意味がありません。
数値予報の初期値に食べさせる餌の質が悪いと、当然予報の質も悪くなります。
例えば、本当は20℃の札幌のデータが50℃として送られてきたのに、そのまま信じてデータ同化していいのか、という話です。いいわけありません。

間違ったデータを同化してしまうだけで、上のように天気図も結構変わってしまいます。(数値予報資料集)
因みに、QCは quality control の略です。
(b) 気温や⾵などの観測データは、第⼀推定値と⽐較され、その差が定められた基準を超える場合は客観解析には利⽤されない。
解答:正
難易度:★★☆☆☆
問題文の通りです。普通知りません。
「前初期値の計算結果」から出てくる「現在」の観測結果と予報データ(第一推定値)が基準よりも離れている場合には除去します。
もちろん、予報は予報なのである程度離れてしまうことはあるのでどのくらい外れてよいのかの基準が定められています。

(数値予報資料集)
(c) ラジオゾンデによる⾼層気象観測は⼤気を直接観測しており精度が⾼いため、品質管理を⾏った上で、観測値そのものを観測地点の直近の格⼦点の解析値としている。
解答:誤
難易度:★☆☆☆☆
ラジオゾンデによる観測値は日射の影響を補正して利用されており、第50回、第52回、第60回などではこれに関して問題が出題されている。
つまり、観測値をそのまま解析値にはしていないと考えることができる。
ゾンデに限らず、観測値は何らかの補正を加えると思っておけば良さそうです。
ということで、正正誤の②が答えです。







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