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第63回気象予報士試験 専門知識 問6

  • 執筆者の写真: 人参 走る
    人参 走る
  • 5月24日
  • 読了時間: 3分

更新日:5月31日

気象庁のメソアンサンブル予報システムから作成したガイダンスについて述べた次の⽂ (a)〜(c)の下線部の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。
(a) メソアンサンブル予報システムの各メンバーから作成した降⽔量ガイダンスのアンサンブル平均は、各メンバーの予測値が平滑化されるため、⼀般に、強⾬の分布 や最⼤降⽔量を捉えるのには適していない。
(b) 降⽔量や発雷確率のガイダンスにおいて、メソアンサンブル予報システムの各メンバーから作成したガイダンスの最⼤値(アンサンブル最⼤)は、単独のメソモデルか ら作成したガイダンスと⽐べて、顕著現象の捕捉率が⾼く、顕著現象の可能性を把握する上で有⽤である。
(c) メソアンサンブル予報システムの各メンバーから作成した⾵ガイダンスのアンサンブル平均は、⼀般に、単独のメソモデルから作成した⾵ガイダンスより予測精度が低い。
 (a) メソアンサンブル予報システムの各メンバーから作成した降⽔量ガイダンスのアンサンブル平均は、各メンバーの予測値が平滑化されるため、⼀般に、強⾬の分布 や最⼤降⽔量を捉えるのには適していない。 

解答:正

難易度:★☆☆☆☆


『大気にはカオス的な性質があり、予報時間が長くなればなるほど誤差が急激に大き くなることから、予報時間が長いときにメソスケール現象を時間と場所を特定して防災 に資する精度で単一の決定論的予報から予測することには限界がある。』


ので、ちょっとずつ初期値の異なる状態でモデルを回して予報するのがアンサンブル予報です。

MSMであれば、メンバー数は21でやっています。

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もうあとはデータ利用センスの問題ですが、データを平均すると、強い雨域が出てくるような予報も、全然雨域が出てこないような予報も平滑化されるため、極端なやつは出てきにくくなります。


(d)の図のアンサンブル平均がその例です。右のそれぞれのメンバーでは極端なものが見られますが、平均するとちょっと落ち着きます。

(b) 降⽔量や発雷確率のガイダンスにおいて、メソアンサンブル予報システムの各メンバーから作成したガイダンスの最⼤値(アンサンブル最⼤)は、単独のメソモデルか ら作成したガイダンスと⽐べて、顕著現象の捕捉率が⾼く、顕著現象の可能性を把握する上で有⽤である。

解答:正

難易度:★☆☆☆☆


「やばい所全部集めましたセット」がアンサンブル最大なので、問題文の通り。


(c) メソアンサンブル予報システムの各メンバーから作成した⾵ガイダンスのアンサンブル平均は、⼀般に、単独のメソモデルから作成した⾵ガイダンスより予測精度が低い。

解答:誤

難易度:★★☆☆☆


アンサンブルを平均すると誤差たちが打ち消しあうのでいい感じになります。


もちろん、単一メンバーの方がアンサンブル平均よりも結果が良い可能性はあります。

ただ、一般的にはアンサンブル平均の方が予測精度は高いです。


よって、答えは正正誤で②となります。

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