第63回気象予報士試験 一般知識 問10
- 人参 走る
- 5月31日
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更新日:7月16日
図は経度方向に帯状平均した南北両半球の1月の月平均温度の緯度高度分布である。 図中の点A、B、Cのうち、温度風の関係から高度が高くなるにつれ東風成分が増加する点の組み合わせとして適切なものを、下記の①~⑤の中から1つ選べ。ただし、図中の等温線で示した気温の単位はKであり、また、図では南半球、北半球の別は示していない。


解答:①
難易度:★★★☆☆
温度風がわからなかったら終了です。
因みにどちらが北半球かわかりますか?
地上付近の気温を見ると、左側の方が高温に寄っているので、1月に暖かい南半球が左、北半球が右という判断ができます。
また、成層圏では夏半球の方が気温が高く、中間圏では夏半球の方が気温が低いことからもその判別ができます。

で、温度風の関係について考えていきます。

温度風の関係について考えていきます。どちらの半球でもいいですが、対流圏であれば、低緯度ほど気温が高く、高緯度ほど気温が低いです。
温度が高い空気の方が密度が小さいため、上図のように低緯度側の方が等圧面が高くなります。
そうなると、高度が高いほど南北の気圧差は必然的に大きくなります。
地衡風は、気圧傾度力(気圧差)とコリオリ力が釣り合うことで吹いていますが、上図を考えると、上空に行くほど地衡風が強く吹くことが分かります。
北半球であれば気圧傾度力に対してコリオリ力によって右向きに風が吹きますよね。
これによって上空高い所ほど西風が吹きます。
南半球ではコリオリ力によって気圧傾度力に対して左向きに風が吹きますね。
でもこれも西風になります。
つまり、
高緯度ほど低温の場合、南北半球関係なく西風が高度と共に強まるということになります。

図に戻りまして、
Aを考えていきます。成層圏ですね。そしてAは南半球でした(が、どっち半球かは関係ない)。
Aにおける温度分布をよく見ると、低緯度の方が気温が低くなっています(高緯度ほど気温が高い)。
高緯度ほど気温が低い場合は西風が高度共に強まりました。
逆の場合は東風が強まりますね。
よってAは問題文に合致します。
続いてBです。
こちらは高緯度(右側)の方が気温が低くなっています。
ということは高度と共に強まるのは西風です。
最後にCです。
一目瞭然、高緯度の方が気温が低くなっています。
なのでこちらも高度と共に強まるのは西風です。
よって、高度共に東風が強まるのはAのみなので、答えは①です。









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