第63回気象予報士試験 一般知識 問9
- 人参 走る
- 5月26日
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更新日:7月16日
台⾵について述べた次の⽂(a)〜(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の ①〜⑤の中から1つ選べ。
(a) ⼀般に、台⾵は海⾯⽔温が26〜27℃以上の海域で発⽣する。これは台⾵の発⽣・発達に海⾯からの潜熱の供給が必要なためである。
(b) 発達中の台⾵において、台⾵中⼼へ向かう動径⽅向の⾵の成分は、⾼度⽅向に⾒ると⼤気境界層の中で最⼤となっている。
(c) 台⾵中⼼付近の対流圏中層の接線⽅向の⾵は傾度⾵とみなすことができ、気圧傾度が同じであれば、地衡⾵よりも強くなっている。
(a) ⼀般に、台⾵は海⾯⽔温が26〜27℃以上の海域で発⽣する。これは台⾵の発⽣・発達に海⾯からの潜熱の供給が必要なためである。
解答:正
難易度:★☆☆☆☆
基本です。そのままです。
(b) 発達中の台⾵において、台⾵中⼼へ向かう動径⽅向の⾵の成分は、⾼度⽅向に⾒ると⼤気境界層の中で最⼤となっている。
解答:正
難易度:★★☆☆☆(とはいえ基本)
「動径方向」というのは接線方向とは違って、中心から離れていく/近づく成分のことです。

地表面付近の摩擦によって、地表面付近では反時計回りをしながらも、風が中心付近に向かって吹きます。
摩擦の影響が無ければ、図のように素直に反時計回りに回ります。
大気境界層内というのは地表面付近のことなので、問題の文は正しいということになります。
(c) 台⾵中⼼付近の対流圏中層の接線⽅向の⾵は傾度⾵とみなすことができ、気圧傾度が同じであれば、地衡⾵よりも強くなっている。
解答:誤
難易度:★★★☆☆

地衡風と傾度風はそれぞれこんなやつです。
地衡風は気圧傾度力がコリオリ力と釣り合っています。
傾度風は気圧傾度力=コリオリ力+遠心力で釣り合っています。
ここで、それぞれ気圧傾度力が同じであれば、
コリオリ単体 と コリオリ+遠心力
が同じということになります。
遠心力がある分、コリオリ力が地衡風ほど必要なくなるので、傾度風の方がコリオリ力が小さくなります。
コリオリ力は コリオリパラメータ×風速
で、コリオリパラメータは緯度によって固定される値なので、風速を小さくするしかありません。
よって、「「「「低気圧の場合は」」」」地衡風よりも傾度風の方が弱くなります。
答えは②となります。









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