第63回気象予報士試験 一般知識 問4
- 人参 走る
- 5月24日
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霧について述べた次の文(a)~(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の ①~⑤の中から1つ選べ。
(a) 移流霧は、冷たい空気が移動して暖かい水面に接して生じる。
(b) 放射霧は、晴れて風の弱い夜間などに地表面が放射冷却によって冷え、地表面付 近の水蒸気を含んだ空気が冷却されることによって生じる。
(c) 上昇霧(滑昇霧)は、山腹などの斜面に沿って空気が上昇する際に断熱膨張によって気温が露点温度以下まで下がって生じる。

霧の成因に関する問題です。
なんら難しくないですが、知らないと厳しい気もするので分らんかったら学びましょう。
まず霧については何にせよ「空気が冷えることによって飽和し、凝結することによって発生」することが基本なので抑えましょう。雲も同じです。違いは地面についているかいないかです。
さらに霧は視程1km未満の場合のことを言います。
(a) 移流霧は、冷たい空気が移動して暖かい水面に接して生じる。
解答:誤
そんなことしたら霧がむしろ消えます。
冷えれば飽和水蒸気量が低下して、飽和しやすくなりますが、この場合は「冷たい空気」が「暖かい所」へ移動しているので、空気は暖められます。
ですので、この逆「移流霧は、暖かく(湿った)空気が冷たい地表面や水面に移動した際に発生」であれば〇となります。

最初の空気が比較的暖かければなんでもいいので、図のように山である必要はありません。
全然関係ないけど、『鬼滅の刃』を見ていたら柱の一人が「移流霧」とか言い出すので驚きました。
よく考えたら「移流斬り」ですね。なにそれ。
(b) 放射霧は、晴れて風の弱い夜間などに地表面が放射冷却によって冷え、地表面付近の水蒸気を含んだ空気が冷却されることによって生じる。
解答:正
放射冷却がしっかりと起こるのは風が弱い夜間です。
風が強い場合は空気が混合されやすく、地表面が冷えても上空の空気と混ざってしまいます。
最もスタンダードな霧です。

なお、地面が湿っていなくても、その場の空気が湿っていればなんでもいいです。
(c) 上昇霧(滑昇霧)は、山腹などの斜面に沿って空気が上昇する際に断熱膨張によって気温が露点温度以下まで下がって生じる。
解答:正
そのまんまです。合ってます。霧シリーズは名前の通りなので、頭で理屈が通れば大丈夫です。
なお、そもそも地面についているから霧と呼ばれるだけで、上昇霧は限りなく私たちの思う「雲」に近いやつですね。

てなわけで正解は誤正正の③です。
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